自作キーボードキット、「Killer Whale」のビルドログになります。
目次
今回組み立てる自作キーボードの紹介
Killer Whaleは、はやしたろう(Twitter: @w_vwbw)さんが製作した立体形状、約28キーの片手デバイスです。左手、右手の2台接続により左右分割キーボードとしても機能します。
今回わたしが購入したのは左手用の片手分のみになります。後述する拡張パーツ部分含め、お絵描き用の片手デバイスとしてどうかなーなんて注目してたんですよね。
それではビルドログ書いていこうと思います。
Killer Whaleの購入先
キットの購入先は以下。
【委託】Killer Whale | 遊舎工房
別売りの交換用アイテム
Killer Whale ホイール付き天面ユニット – tarohayashi – BOOTH
Killer Whale 側面ユニット – tarohayashi – BOOTH
個人的に側面ユニットでジョイスティックが欲しかったですが、見に行ったタイミングではなかなか人気の拡張パーツのようで売り切れておりました。(2023/08/02 時点)
本体含め、どれもアカウントもしくはメールアドレスの登録により入荷タイミングで通知をもらえると思いますので、確実に欲しい方はそのあたりの登録をおすすめします。
とりあえず今回、側面ユニットは付属のトラックボールor十字キーで仕上げたいと思います。
ビルドガイド(組み上げるための説明書)について
ビルドガイドはかならず購入先に記載のものをご確認ください。
KillerWhale/README.md at main · Taro-Hayashi/KillerWhale · GitHub
こちらにもリンクは貼っておりますが、私の記事は単なるビルドログ(作ってみましたという記録)ですので、作成の際はご自身でしっかりビルドガイドを参照するようお願いします。
同梱パーツ確認
同梱されてきたパーツ類を確認します。
スイッチプレート以外は5つの小袋に分かれています。それぞれの詳細は後述。
- スイッチプレート
- ベースユニットの袋
- トラックボール側面ユニットの袋
- 十字キー側面ユニット
- 天面ユニットの袋
- 追加ユニットの袋
ベースユニット
メイン基板を含むベースユニットの確認をしていきます。
- メインボード 1
- ボトムプレート 1
- 側面ユニット支柱 4
- 天面ユニット支柱 4
- M2ネジ 13(12)
- M2ワッシャー 27(24)
- M2スプリングワッシャー 17(12)
- M2ナット 13(12)
- M2スペーサー 12
- M2ネジ(黒) 5(4)
- M2ワッシャー(黒) 11(8)
- M2スプリングワッシャー(黒) 6(4)
- M2ナット(黒) 5(4)
- M3ネジ 12(11)
- M3ワッシャー 13(11)
- M3四角ナット 12(11)
- TRRSジャック 2
- ピンヘッダ 2
- ピンソケット 2
- L字ピンソケット 1
- ジャンパー 8(6)
- ゴム足 4
※()内の数字は必要数です、ネジ類などは予備としてか、確認したところ多めに入っておりました。
LEDを使うとき用の部品
- MOSFET 1
- 抵抗R 2
トラックボール側面ユニット
トラックボール側面ユニットのパーツを確認していきます。
- メインボード 1
- スイッチプレート 1
- ボールケース支柱 6
- 保護プレート 1
- M2ネジ(長) 9
- M2ネジ(短) 2
- M2ワッシャー 23(18)
- M2スプリングワッシャー 9
- M2ネジ(黒) 3
- M2スペーサー(短) 6
- M2スペーサー(長) 3(2)
- M2ナット 9
- M3ネジ 3
- M3ワッシャー 3
- M3四角ナット 3
- ピンヘッダ 1
- ダイオード 5(4)
- センサーとレンズ 1
- コンデンサーC1, C2 各1
- コンデンサーC3 1
- レギュレーター 1
- ベアリング 3
- MXスイッチソケット 2
十字キー側面ユニット
十字キー側面ユニットのパーツを確認していきます。
- メインボード 1
- スイッチプレート 1
- 保護プレート 2
- 十字キー用プレート 2
- M2ネジ(短) 6(5)
- M2ネジ(長) 1
- M2ワッシャー 1
- M2スプリングワッシャー 1
- M2ナット 1
- M2ネジ(黒) 6(5)
- M2スペーサー(短) 3(2)
- M2スペーサー(長) 4(3)
- ピンヘッダ 1
- ダイオード 8
- Kailh ミュートスイッチ 4
- MXスイッチソケット 2
天面ユニット
天面ユニットのパーツを確認していきます。
- メインボード 1
- スイッチプレート 1
- ピンヘッダ 1
- ダイオード 30
- MXスイッチソケット 26(24)
追加ユニット
追加ユニットのパーツを確認していきます。
- メインボード 1
- スイッチプレート 1
- ボトムプレート 1
- 保護プレート 1
- M2ネジ 2
- M2スペーサー(短) 2(1)
- M2スペーサー(長) 3(2)
- M2ネジ(黒)(短) 2
- M2ネジ(黒)(長) 5
- M2ワッシャー(黒) 6
- M2スプリングワッシャー(黒) 3
- M2ナット(黒) 3
- ダイオード 5
- L字ピンヘッダ 1
- ホイールエンコーダー 1
- ホイール 1
- トグルスイッチ 1
- MXスイッチソケット 2
- ゴム足 2
付属品は以上になります。
別途、自分で用意する必要のあるもの
片手分で必要な数になります。
- キースイッチ 26~30(Cherry MX互換)
- キーキャップ 26~30(Cherry MX互換)
- Raspberry Pi Pico 1
- Micro USB ケーブル 1
キーキャップ、およびトラックボールは組み上げ時にどれにするか考えようと思います。
今回わたしが用意したキースイッチは以下。
遊舎工房 Fairy Silent Linear Switch(35pcs)
遊舎工房さんで購入しました。
その他オプションとして必要なもの
- 34mm トラックボール 1
- OLEDモジュール – ピンソケット付き 1(予備の側面ユニットにも付ける場合は2個必要)
- LED(SK6812MINI-E) 30~36(通常は33個、追加ユニット無しで30個必要)
手元の揃ったパーツは、以上になります。
組み立てで用意した道具など
今回の組み立てで用意した道具は以下。
- はんだごて
- はんだ
- コテ台
- ハンダ吸い取り線
- ハンダ吸い取り器
- 精密ドライバー(プラス)
- ニッパー
- 先細ペンチ
- ナットドライバー(M2、2mmナット用)
- ピンセット
- デザインナイフ
- マスキングテープ
- はさみ
- フラックス
- フラックスクリーナー
- 作業用シリコン(耐火)マット
用意したキースイッチの導通確認
念のため。テスターを使って購入したキースイッチが正しく動作するか導通チェックしておきます。
取り付けてからこのキーだけ作動しないな?となったときの原因究明が少しでも楽になるように、一応揃えたキースイッチはこの手の確認をしておきます。
これまでも動作しなかったなんてことは特になかったんですが、今回も購入した35個ともに問題なかった模様。
実装
実装していきます。
Raspberry Pi Picoへのファームウェア書き込み
先にビルドガイド、スタートページの最後らへんに記載されている、Raspberry Pi Picoへのファームウェア書き込みをしてしまいます。
組み立ては片手分、左手用で組んでいきます。
ベースユニットの組み立て
20ピンずつにピンヘッダをカット。
Raspberry Pi Pico のはんだづけ
長い方のピンをカットします、使っているニッパーはこちら。
エンジニア マイクロニッパー ESD 静電気対策 123㎜ NP-05
L字ピンソケットのはんだづけ
マスキングテープで水平になるように固定して、裏面をはんだづけ。
TRRSジャックのはんだづけ
2台を接続するためのものですが片手用を組み立てるつもりでも一応、拡張を予定して取り付けていきます。固定場所どちらにつけても、または両方とりつけても問題ない模様。
なので両方につけていこうと思います。
表面からマスキングテープで固定。
裏面をはんだづけ。
ジャンパーピンの取り付け
ジャンパーはビルドガイドに従い、使用するユニットによって取り付け位置に注意します。
LED部品の取り付け(オプション)
小袋からMOSFETと抵抗を取り出し、取り付けていきます。
LEDの取り付け
ベースユニットには3箇所にLEDを取り付けていきます。
無事に発光を確認。
支柱パーツの取り付け
支柱となる8パーツ、4組をあらためて確認。
ビルドガイドどおり、前準備としてM2ネジ12本にワッシャーを通しておきます。
切れ目の入っている「スプリングワッシャー」は反対側を固定するのに使用するため、この段階ではまだハメません。
組み立てた支柱の取り付け
M3ネジ5本にワッシャーを通しておきます。(揃えた道具類の項目で精密ドライバーの用意は書いておりましたが、M3ネジ用のドライバーの用意まで記載してませんでした。M3ネジ用の物もご用意ください)
ベースユニットに支柱を取り付けていきます。写真はビルドガイドとは別角度にしてます。凹凸からしてこの形でおそらく良いはず。
残ったネジなどの部品は後でまた使うとのことなので、なくさないように保管しておきます。
トラックボール側面ユニットの組み立て
トラックボール側面ユニットを組み立てていきます。
LED、MXスイッチソケットの取り付け
ダイオードのはんだづけ
表面からマスキングテープで固定、裏面からはんだづけし、伸びた足をニッパーでカットします。
センサー類はんだづけ(裏面)
コンデンサーのはんだづけ
取り付けの向きはあるのかな?と思い調べてみたところ、こちらで使用するコンデンサーは積層型のセラミックコンデンサーだそうで、極性はないということなので向きを気にする必要はないそうです。
ピンヘッダーのはんだづけ(裏面)
OLEDモジュールのはんだ付け(オプション)
表面にOLED用のソケットをはんだづけします。
つけ外しを考えないのであれば差し込み用のピンヘッダを使わずに直接OLEDをはんだづけしてしまうのもアリなんだそうですが、なんかあったとき怖いので(特に具体的なものでもないですが)一応、OLED側にピンヘッダをはんだ付けして差し込む方法で進めました。
スイッチプレートの組み立て
左手用でしっかり向きが決まってるようなので、ビルドガイドをよく見ながら組み立てます。
保護プレートも取り付けていきます。
トラックボールケースの組み立て
前準備として、M2ネジ(長)9本にワッシャーを通しておきます。
組み上がりました。
十字キー側面ユニットの組み立て
メインはトラックボール側面ユニットを使うつもりでしたが、余らせるのももったいなく、また側面ユニットのつけ外しもできることからこちらも組み立ててしまおうと思います。
ただし、自分で別途用意するOLEDをこちらにも取り付けようとする場合は、そちらをもう一つとLEDも3つ必要になります。
(※ソケットにて差し込む形にした場合は、同様にソケットのみ取り付ければOLEDは差し替えが可能)
LEDのはんだづけ(オプション)
3箇所、裏と表からはんだづけ。
MXスイッチソケットのはんだづけ(裏面)
ダイオードのはんだづけ
向きに注意して差し込んでいきます。
はんだづけ後、飛び出た足はカット。
ピンヘッダーのはんだづけ(裏面)
はんだづけ後、飛び出た足はカットしているようなので同様にカットします。
OLEDモジュールのはんだづけ(オプション)
表面にOLED用ソケットをはんだづけします。
自分はトラックボールモジュールからの差し替えで対応しようと思いますので、ソケットのみはんだづけで完了とします。
十字キーのスイッチはんだづけ
極性はないようなので、表面から差し込んで裏面ではんだづけします。
スイッチプレート組み立て
プレートの上下に気をつけながらM2スペーサー取り付け。
保護プレートも指示通り取り付けます。
ベースユニットへの取り付け
M2スペーサー(長)を取り付け。ピンソケットはトラックボール側面ユニットにて既に取り付け、かつはんだづけ済みのため、十字キー側面ユニットでは取り付けません。
天面ユニットの組み立て
天面ユニットを組み立てていきます。
LEDのはんだづけ(オプション)
マーク位置がすべて同じではなく、上下変わっている箇所がありますので、注意が必要。
わたしは最初の一歩で上下逆につけるというミスをやらかしました。
ダイオードのはんだづけ
さんかく矢印の先の、タテ線側にダイオードの黒い頭がくるように差し込んでます。
裏側からはんだづけし、飛び出した足をカットします。
MXスイッチソケットのはんだづけ
ピンヘッダのはんだづけ
組み立てまで終わらせるも、動作確認でトラックボール側面ユニットのキーが光らない。
またキー位置にズレが発生していたため、そしてテストタイピングで既に押されている判定のキーがいくつか発生していたため、もしかして追加ユニットまで組み立てないと、ジャンパーソケットを指している関係で誤動作起こしているのではと思い、追加ユニットの組み立てまでとりあえず進めてみることに。
追加ユニットの組み立て
LED、ダイオード、MXスイッチソケットのはんだづけ
L字ピンヘッダのはんだづけ
これは表側にはんだづけしていきます。
写真ナナメってますが、ベースユニットとの取り付け側ソケットともに水平になってないと合体させるときに難儀すると思います。
ホイールエンコーダーのはんだづけ
ビルドガイドに記述があった通り、ショート回避のために見えてる面のたれてる金属板は先細ペンチにて外側に曲げてます。
トグルスイッチのはんだづけ
個人的にトグルスイッチ大好きなのでこのパーツだけで7億はこのキット&製作者さまの株と私のテンションが上がります。
追加ユニットの完成
全体の組み立て
全体を組み上げていきます。
ボトムプレートの取り付け
追加ユニットの取り付け
USBを接続してみたところ全体のライティングを確認できたので、このまま動作確認へと映ります。
動作確認
動作確認をしていきます。
こちらのサイト(VIA)にてキーマップ変更からテストタイピングまで行えます。
完成
完成!やはり全体を組み上げたら側面ユニットのLEDが光らなかったことも解消されました。
テストタイピングも問題なく動作しましたが、キーマップどうするかはなかなか迷うところ。
デフォルトでも片手で使いやすいようになかなか練られた構成と感じたので、この状態から拡張する形で変更していくつもりです。
組み立てで失敗したこととか
なんか組み立ててて感じたこと、失敗したこととかを書いてきます。
トラックボールモジュールのレンズを逆さまに付けた
リカバリーとしてできるだけハンダを除去してから抜き取れないか試したのですが、なかなか難しかったので、ある程度足が抜けたところでカットし、直接はんだづけすることで問題なく動作させることに成功しました。
おおきな失敗としてはそれくらいかと思います。
天面ユニットのLED取り付け不注意
小さな失敗は天面ユニットのLEDのひとつめを逆に取り付けかけたことですかね、がっちりはんだづけした後だと目も当てられなかったですが、1つ目の片側をはんだづけしたタイミングで取り付け位置のマークがすべて同じではないと気づけたので運が良かったです。
できればミスなくやりたいところですが、自作キーボードキットごとに毎度なにかしらミスを起こしているのは、慣れで回避できるのかどうなのか。
使ってみて
使ってみた感想。
トラックボールユニットについて
まずトラックボールの滑りがとてもいいです。側面ユニットとして斜めになっているため、傾いてる下側の支柱にいちばん負担がかかていると思いますが、この状態でもバランスがおかしくなることもなく、滑るようになめらかな回転をしてくれています。
デフォルトではリバース(上下左右反転)となっていたため、移動角度の設定を変えて親指のポジションで操作しやすい角度に設定し直しました。
また、スクロール直後はデフォルトでのFキーが右クリック、Dキーが左クリックとして動作するのも合わせて覚えておくととても便利です。
お絵かきデバイスとしての運用を考える
今回わたしが組み立てたのは左手片側のみの単体デバイスでの運用を考えてました。
そもそも2台揃えなかったのは二台分買うお金がなかったのもあるんですが、片側でもこれだけ操作ユニットがあるなら、お絵描きデバイスとしてもかなり有用なのでは?と思ったからでした。
デフォルトの設定で側面トラックボールユニットの右下のキーがレイヤー1への切り替えと設定されているため、それを押下しながらアンドゥ(一つ戻る動作)やリドゥ(アンドゥの取り消し)などのアクションを設定する、もしくはレイヤー切り替えもなくして完全にお絵かき用のデバイスと割り切ってすべてのアクションをワンボタンで設定してしまってもいいかもしれません。
というのもまぁ、自分はお絵描きデバイスではなくキーボードショートカットを使用してイラストを描いているため、このあたり考えるのですが。
キーキャップも小洒落たものをハメてみましたが、黒の無地のものなどもストックがありましたのでそちらに付け替えて上から目印のシールなり貼ってみるのもいいかも。
側面ユニットは複数用意したとしても付け替えが少々手間?
付属のトラックボールユニットから十字キーへ換装してみようかなと思ったのですが、OLEDはともかく支えとなる支柱の付け替えが面倒だったため、そちらでの検証は省きました。
面倒くさがらずにスイッチとスイッチプレートを外してネジ取って~と順番にやっていけば問題ないと思いますが、また戻すことを考えるとそっちまではやらなくていいかとなったのが本音です。
おわりに
今回のビルドログは以上になります。
お付き合いありがとうございました。
最後に、製作者であるはやしたろうさんのTwitterでも引用RTされてましたが、kbd.newsで今回のKiller Whaleについてのインタビューを受けておられました。
面白い内容でしたので、そちらも貼らせてもらいます。
別のトラックボールつき左右分割キーボードであるkeyballシリーズへの言及あるところなんかは、シリーズの1ファンである自分としてもとても興味深かったです。
おわり。